ミラクルフルーツとは、南アフリカ原産の植物で、その果実に含まれるミラクリンという糖たんぱく質が、酸味を甘味に変えてしまう。とても変わったフルーツです。
ミラクルフルーツを一度口に含むと、舌の甘味受容体という部分を刺激します。これによって酸味のあるものを甘味に替えてしまうので、レモンを丸かじりする事も可能になります。
一般には酸味が強い果物を食べる時には、お砂糖や蜂蜜などの甘いものを使います。ミラクルフルーツはこれらのものが不要で、フルーツの効能で自然な甘味を楽しめるのです。
実際に口に含むと、ミラクルフルーツ自体には特に変わった味はしません。２～３分かん程口に含んでから、レモンをかじってみると。不思議なことにレモンが甘く、とても美味しく食べられるのにはビックりしました。
今まではビタミンCの宝庫とは言え、レモンを丸かじりと言うわけには行きませんでした。しかしミラクルフルーツがあれば、自然の作用で甘みを感じるのですから余計な糖分を必要としません。
もっとも数時間は舌の甘味感覚がおかしくなりますから、酸味を楽しみたいもの。例えば冷やし中華等を食べてしまうと、妙に甘く感じてしまうので要注意です。
またミラクルフルーツは、現在のところ国内での栽培が少なく、輸入に頼ることになっています。その分どうしても割高になるので、簡単に購入できないところも不便です。
宴会の一発芸などで、レモンの丸かじりをします。そういって事前にミラクルフルーツをなめておく人もいるようですが、その後は酸味をすべて甘味に感じますから注意が必要です。
それからミラクルフルーツは酸味を甘味に変えるだけですから、甘いものをより甘くするような効果はありません。ですから調理に使うといったものではないことを理解しましょう。
今後ミラクルフルーツの栽培が盛んになれば、すっぱいからと敬遠されていたような夏みかんなども、とても甘くて食べやすいくだものとなるでしょう。
ミラクルフルーツとは、すっぱいものを甘く感じさせてくれる、まさに魔法のようなフルーツなのです。
