クラウンとはトヨタ自動車が生産する高級セダンで、セルシオがレクサスブランドのLXとなった現在では、個人向け自家用車としてトヨタの最高級セダンといえそうです。
クラウンの歴史は1955年から現在に至るまで続き、時代と共に進化を重ねています。現行はゼロクラウンといわれ、より走りの性能がアップしています。
クラウンが誕生した当時は日本のモータリゼーションが幕開けした当時で、自動車そのものがまだ高嶺の花。そのなかでもとりわけ高級車として、自動車好きには羨望のまなざしで見られていたようです。
自動車の所有が一般化してきた昭和50年代頃からは、クラウンはトヨタの中でも終点の車だったようです。つまりカローラ、カリーナ、コロナ、マークⅡなどを経て、最後に到着するセダンだったのです。
ですから当時から一度クラウンに乗った人は、モデルチェンジのたびにまた乗り換える人も多かったとか。もっとも最近ではセルシオの存在や、クラウンマジェスタの存在、そしてミニバンブームもあり、ややその傾向は薄れたようです。
とはいえクラウンの存在価値は高く、カローラ等と同じように毎年自動車売り上げランキングでは、常に上位に顔を出してきます。
流行り廃りが無いというよりも、クラウンの売り上げは常に安定感があるといったところでしょう。また最近は団塊ジュニア層にも人気があり、比較的若い世代のユーザーも増えたようです。
この団塊ジュニア層の取り込みこそが、トヨタ戦術の上手さともいえます。つまり自分の親が乗っていた車は、子供の頃に乗った車です。当然のようにその子供達も大人になると、同じ車種が気になるわけです。
クラウンが販売で成功しているのは、そういった取り込みが上手く行った結果ともいえます。最近はトヨタに限らず車種名の統廃合が進んでいますが、クラウンの成功をもっと他の車種にも取り込むべきでしょう。
いつかはクラウンというCMがその昔にありましたが、クラウンの名前はトヨタの歴史そのものともいえるもの。いまでもイチオシのトヨタ車である事には変わりなく、今後も続くのではないでしょうか。